このたび、沖縄市戦後文化資料展示館ヒストリート令和5年度第2回企画展として、「沖縄市の沖縄戦 戦さ世の少年少女たち」を開催いたします。本企画展は、沖縄市が定める平和月間(8月1日~9月7日)の協賛企画となっております。
 本市は『沖縄市史』第五巻戦争編(令和元年度発刊)にあたって、市民からの聞き取りや資料の調査・分析を通して本市の「戦さ世」の諸相を明らかにしてきました。
 そこで浮かび上がったのは、米軍上陸直後の米軍と日本軍が胡屋で交戦し、そこに地元の青年たちが「義勇隊」として参加していた実態でした。彼らの中には日本軍とともに中部戦線に動員されて犠牲になった者、数か月の逃避行のすえ南部から命からがら帰った者もいます。沖縄県内で戦争の犠牲になった本市出身者は3,218名を数えますが(令和2年6月現在)、このうち597名(18.5%)は17歳から21歳で他の年代と比べても突出して多く、沖縄戦における「根こそぎ動員」の実態を物語っています。
 「戦さ世」のなかで、少年少女たちは竹やり訓練や陣地構築、学童疎開、根こそぎ動員、そして収容所での軍作業と、さまざまな体験をしていきます。こうした少年少女たちのすがたにフォーカスし、あらためて「沖縄市の沖縄戦」をみてみようというのが、今回の企画展の試みです。