去年は第7回目の「世界ウチナーンチュ大会」が開催され、世界各地から沖縄にルーツを持つ方々、あるいは何らかの関係を有する、いわゆる「ウチナー系」の、数多くの皆さんが沖縄を訪れました。

 沖縄県からの移民は、明治期から昭和戦前期に至るまでに21か国余に及んだとされ、戦後もまた南米ボリビアをはじめ、多くの移民を生み出しています。

 一方で、戦後の移住は、マラリア地獄とも称された裏石垣(石垣島北部)と、コザに代表される 「基地のまち」への移動という、戦前期には見られなかった新たな動きを特徴とします。

 今回の企画展は、戦前移民はもちろんのこと、戦後移民や八重山開拓移住がなぜ発生したのか、その背景を追うとともに、「基地のまちコザ」が誕生するプロセスにも触れています。

 皆さま方におかれましては、こうした幾重もの移民(移住)の背景や意義をご理解いただき、その歴史の結果としての「現在」を考える機会にしていただければ幸いです。