「アンコール!ヒストリート」の第4弾の企画展は、「コザ暴動と毒ガス移送」です。
 1970年前後の沖縄は激動の時代でした。米軍基地の即時・無条件・全面返還を求める大衆闘争によって革新主席が誕生。沖縄返還が日米間で合意され、返還交渉が始まっていました。アメリカのベトナム戦争介入による影響で沖縄ではベトナム帰休兵による凶悪犯罪が頻発し、B52爆撃機の墜落事故は県民に衝撃を与えました。また軍雇用員の大量解雇など、問題は山積し沖縄は揺れていました。
 そうした混沌とした状況下の1969年7月に米軍知花弾薬庫で毒ガス漏れ事故が発生し、県民を恐怖に陥れました。同月22日、琉球政府立法院(現沖縄県議会)が毒ガス兵器の即時撤去を求める決議案を採択したのを皮切りに、70年12月19日に美里中学校で「毒ガス即時完全撤去を要求する県民大会」が開催されるなど、島ぐるみの毒ガス撤去運動が展開していきます。
 そして、大会開催翌日の1970年12月20日未明、「コザ暴動」が起こりました。米兵の起こした交通事故が発端となり、群衆によって次々と黄ナンバー車が放火され、6時間余におよぶ暴動はMPカーを含む外国人車両82台に被害を与えました。
 一方、毒ガス問題は、沖縄県民が一丸となって次々と抗議の声をあげた結果、南太平洋のジョンストン島へ毒ガスを撤去させるにいたりました。
 今回の企画展において、毒ガス移送とコザ暴動に関するさまざまな史資料を展示しました。市民の皆さまにおかれましては、じっくりと展示をご覧いただき、あらためて現在の沖縄が置かれている位置について考えるきっかけとなるよう希望いたします。