今からおよそ70年前の昭和20(1945)年、沖縄では「鉄の暴風」と形容される沖縄戦が、同年3月末の米軍による慶良間諸島への上陸を皮切りに数ヶ月にわたって展開されました。当時の県人口の4分の1が亡くなったとされる悲惨な戦争は、今でも大きな傷跡を県民に残しています。
 沖縄市は平成5(1993)年に全国で初めて市民平和条例を可決・公布して以来、毎年、平和月間を中心に戦争や平和を考えるイベントを開催してきました。
 ヒストリートでもその平和月間の賛同企画として「沖縄市の沖縄戦-そして戦後へ」と銘打ち、企画展を開催いたしました。
 企画展の主な内容は、基本的に沖縄市の戦中・戦後においておりますが、本島南部で戦争が行われていたその2週間前には、本市域では戦後への歩みが始まっていたこと、沖縄戦の降伏調印は本市で行われていたこと、海外や県外からの引揚者たちの受け入れは本市の「インヌミヤードゥイ」で行われていたこと等、他市町村と異なる沖縄市の沖縄戦の特徴を表現できるよう展示に努めました。
 市民の皆さまにおかれましては、「時・空間」によっていろいろな表情を示す沖縄戦の地域性をご理解いただければ幸いです。