このたび、沖縄市戦後文化資料展示館ヒストリート令和3年度第1回企画展として、「アジア太平洋戦争と沖縄市」を開催いたします。
 歴史をひもときますと、ちょうど90年前(昭和6年)には満州事変が、80年前(昭和16年)にはマレー半島侵攻およびハワイ真珠湾攻撃があり、いずれの年も戦争がアジア太平洋地域に大きく広がる節目となりました。沖縄市出身戦没者は5,519名(令和2年6月現在)を数えますが、そのうち38%に当たる2,094名は沖縄県外や海外で亡くなっており、沖縄戦だけが市民の戦争体験ではないことを示しています。また、戦後間もなくして開設されたインヌミ引揚民収容所はアジア太平洋各地での戦場を生き延びた多くの人々を迎えた施設であり、戦後の本市も「太平洋の要石」と位置付けられる米軍基地を抱える一方で、県内外から人々が集まり「基地の街」を形成しました。こうした社会の動きと人びとの動きにフォーカスして本市のあゆみをみようというのが、今回の企画展の試みです。