企画展を開催するにあたり、ごあいさつ申し上げます。
 県内外はもちろん世界中をも震撼させた「コザ暴動」から、早や半世紀が経ちました。本市としましては、これまで機会を見つけては同事件に関する冊子の発刊、展示会の開催等を重ねてまいりました。また併せて、数十名に及ぶ関係者への聞き取り調査も行ってきました。
 半世紀を期に、今回の企画展からは、これまでの成果を踏まえながらも、さらに事件の全体像に迫るべく、コザ暴動の「その後」に焦点を当てることと致しました。
 琉球政府や軍政府関係者の発言、軍政府の対応や日本政府の動き、各政党の動向、市民や県民の声、そして裁判の行方等です。
 「コザ暴動」は、軍政府によるオフリミッツ(軍人・軍属の民間地域への出入り禁止令)にみられるように、利害関係の異なる地域住民・県民を二分するなど、我々の予想をはるかに超えた影響を市内外にもたらしました。また日本復帰運動に与えた影響等、その全容はまだまだ解明するまでには至っておりません。
 市民の皆さまにおかれましては、「コザ暴動」が本市や沖縄県の「その後」の歩みにどう影響を与えたのか、日本復帰前の沖縄がどのような状況に置かれていたのか、等々を考える上で、この企画展が多少なりともお役に立てれば幸いです。